ゼイビア・ネイディ Xavier Nady ~傷だらけの暫定王者~

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ゼイビア・ネイディ (Xavier Nady)
(1978-)
Baseballer
Position:Out Fielder
Threw/Batted:R/R
Height:188cm Weight:97kg

Stats

彼のフルネームはゼイビア・クリフォード・ネイディ六世という。アメリカは広いが六世を名乗る人間はざらにはいまい。一世はフランス移民で、アイオワに入植して牧場を開いたという。更におじのジェイはボクシングのレフリーで、ラスベガスの世界タイトルマッチでもよく見かけるその道の大物である。

ハイスクール時代から評価は高く、1997年にドラフト4巡目でセントルイス・カージナルスに指名されたが、これを断ってカリフォルニア大バークレー校に進学。PAC-10カンファレンスのレコードとなる通算長打率.729という記録を残し、2000年にドラフト2巡目でサンディエゴ・パドレスに指名された。

どんな大物でもマイナーからスタートするのがアメリカの流儀であるのだが、ネイディは直接マイナーへ行く前に1試合だけメジャーでプレーし、初打席をヒットで飾った。ドラフトが始まって以来18人目の直接のメジャーデビューであったという。

その後のネイディは強肩強打のトッププロスペクトとして将来を嘱望されたが、惜しむらくは怪我が多かった。2002年にはトミー・ジョン手術を受けている。以後どこまでも怪我と病気がネイディに付きまとう。

幸い術後の経過は良く、2003年に本格的にデビューするとライトの定位置をつかみ、110試合に出場して打率.267、9HR、39打点をマーク。2004年は故障で出場機会が減少したものの、2005年は外野、DH、ファーストとポジションを転々としながらシーズンを通してプレーし、打率.261、13HR、43打点をマーク。チームレコードとなる4試合連続HRも打っている。

しかし、パドレスとしては怪我がちでポジションも無いネイディを持て余し、シーズン終了後にニューヨーク・メッツにトレード。メッツでは5月に盲腸の手術でDL入りした程度で順調に打っていたのだが、本人のあずかり知らないところで事件が起きる。

まずエースと期待されたペドロ・マルチネスが怪我で戦線離脱した。そして中継ぎの柱だったデュアネル・サンチェスがタクシーに乗っていたら事故に巻き込まれ、これまた怪我をした。

メッツはピッチャーに困り、14HRを打っていたネイディを泣く泣く手放し、ピッツバーグ・パイレーツからロベルト・ヘルナンデスとオリバー・ぺレスを獲得して急場をしのいだ。トレード期限ぎりぎりの7月30日の事である。

翌2007年シーズン前のキャンプで腸にクローン症が発覚したものの、このシーズンはライトのレギュラーとして20HRをマーク。しかしその一方でアダム・ダンのライトフライを弾いて外野スタンドに入れてしまい、ダンの3年連続40HRを助けるという珍プレーをやらかしている。

翌シーズンは昨年以上の活躍を見せ、打率.305、25HR、97打点を記録。しかしシーズン途中にニューヨーク・ヤンキースにトレードで移籍している。

オフには契約で揉めた。怪我がちのネイディと長期契約を避けたいのはチームとしては当然だろうが、ネイディは勿論その逆だ。しかも代理人はよりにもよってスコット・ボラスである。調停寸前までもつれ、結局単年665万ドルという契約で手打ちとなった。ヤンキースとしては多少高くついてでも単年契約が良かったのが窺える。

果たしてヤンキースの懸念は当たり、ネイディは二度目のトミー・ジョン手術を受ける羽目になり、シーズン僅か7試合の出場に終わった。それでもチームはワールドシリーズを制し、ネイディもリングを貰えたのは幸運ではあったが、レギュラーの座はニック・スウィッシャーに奪われてしまった。

代理人がボラスの怪我人を置いておきたい酔狂なチームはそうはない。契約延長を断られたネイディはシカゴ・カブスへ移籍したものの、怪我で外野守備がおぼつかなくなってファーストへ回る機会が多くなり、成績も低迷。結局カブスも1年限りとなり、2011年はアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍。以後はマイナー契約で毎年チームを変わるようになる。

2012年シーズンはワシントン・ナショナルズで迎えた。スーパールーキーのブライス・ハーパーの目付役として一定の役目は果たしたが、肝心のフィールドの方では全く振るわず解雇になり、シーズン途中にサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍。ジャイアンツはこの年ワールドシリーズを制し、19試合の出場しかなかったネイディはまたしてもリングを手に入れる幸運にあずかったのだった。

しかし、これを最期に野球人生の運を使い果たしたと見え、翌シーズンはメジャーでの出場がかなわず、2014年はパドレスに復帰したもののもはやあの有望なネイディは見る影もなく、結局解雇になってマリナーズとマイナー契約を結んだものの、昇格はかなわずこのシーズンを持って現役を引退した。引退後はパドレスのマイナーでコーチを務めている。

ネイディは結局ワールドシリーズでプレーすることは叶わなかった。しかしリングは確かに2個持っている。どんなに活躍してもリングを手にできなかった選手がどれだけいるかと考えれば、怪我だらけでもネイディの野球人生は幸福だったのではないだろうか。

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