マイク・バートラム Mike Bartrum ~100万ドルの職人芸~

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Mike Bartrum(マイク・バートラム)
(1970-)
American Footballer
Position:Long Snapper
Collage: Marshall
Height:193cm Weight:111kg

Stats

 LSは往々にして手先が器用だ。ボールを7ヤード後ろに綺麗な回転で、それも必ずボールの縫い目が裏側に来るように投げる。そんな仕事を不器用者に出来ようはずがない。これでNFLのLSは100万ドルのサラリーを取る。職人芸の世界だ。

 バートラムはハイスクールではQBであったという。と言って小兵ではLSは務まらない。190センチを超える長身のバートラムはまさにLS向きだったわけだ。

 Div.i-AAに在籍していたマーシャル大へ進み、TEにコンバート。1992年にはDiv.I-AAのチャンピオンシップにチームは輝いたものの、バートラムはずっと三番手TEであった。

 1993年にカンザスシティ・チーフスとドラフト外で契約したものの、3試合STとして出場しただけでお払い箱になり、翌シーズンは浪人。1995年はグリーンベイ・パッカーズと契約したものの、これまた全く役に立てずに解雇。

 だが、大学でコーチにLSの技術を学んだのが役立った。マーシャル大のチームメイトであったトロイ・ブラウンの誘いもあってLSとしてニューイングランド・ペイトリオッツと契約。ようやくバートラムのフットボール人生に道が開けた。

 LSの傍らで控えTEとしてもプレーし、初レシーブで初TDを記録。このシーズン、古巣パッカーズに敗れたものの、チームはスーパーボウルへ進出を果たしている。

 以来チームの信頼を得てLSとして活躍し、1999年にもTDを達成。翌シーズンからはフィラデルフィア・イーグルスと契約。

 イーグルスでは今世紀を代表するキッカーであるデイビッド・エイカーズと、USFLでのプレー経験を持つ古豪ショーン・ランデータという得難い相棒を得て、ますます元気にボールを投げた。当時のイーグルスのホルダーは事実上専任のタイ・デトマーだったから、考えれば実に豪華なスペシャルチームである。

 控えTEの仕事もイーグルスに入ってからも続き、2004年には2TDを記録。このシーズン2度目のスーパーボウルに進出したが、またしても古巣のペイトリオッツに敗れている。

 バートラムは実に便利に扱われ、2005年には負傷したエイカーズに代わってキックオフを2試合に渡って蹴っている。そのせいではあるまいが、このシーズンプロボウルに選出されている。

 2006年にはこれまた負傷したQBドノバン・マクナブに代わり、昔取った杵柄で急遽控えQBを務めて1回だけパスを投げたが、残念ながらインコンプリートになっている。

 しかし、このシーズン11試合目でバートラムは首を負傷。チームは得難い腕利きのバートラムを惜しんで翌シーズンもロースターに残してくれたが、負傷は重く、これで現役を引退した。1シーズン残してくれたというのが肝だ。こんな温情をかけてもらえる選手は滅多に居ない。

 控えTEとして通算8レシーブで6TDを記録。TD率実に75%というのは、テネシー・タイタンズのマイク・ブレイベルHCが現役時代に打ち立てた、8レシーブ全てTDというパーフェクトレコードに次ぐ歴代2位である。

 バートラムは現役時代からチャリティに熱心な好人物で、故郷に帰って幼稚園を経営し、フラッグフットボールの普及活動やブランと共にマーシャル大で子供向けのキャンプの開催、更には母校のハイスクールのコーチも務め、町の名士として群の委員にも任命されている。

 2019年にはイーグルスにTEコーチ補佐として招かれた。LSがコーチに出世したという話はあまり聞かない。芸は身を助けるということか。

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